楽譜 『牧野由多可作品集』 | |
定価 5,000円 (税込み) | |
発行 平成16年4月26日 | |
著者 牧野由多可 | |
発行者 相川仁童 | |
発行所 株式会社 大空社 | |
体裁 A4サイズ 335ページ |
曲目 | 作曲年 | 委嘱者 (敬称略) | 編成 | |
1 | 邦楽器のためのEssay | 1967 | NHK | 箏2、十七弦、三弦、尺八2 |
2 | 十七弦と邦楽器群のための変奏曲「接点」 | 1969 | 菊地悌子 | 十七弦独奏、箏2、尺八2、笛 |
3 | 胡弓三章 | 1974 | NHK | 胡弓小、胡弓中、胡弓大(玲琴)、 箏、十七弦、二十弦、尺八、笛、 小鼓、大鼓、太鼓、コントラバス |
4 | 二十弦二面のための「雨月」 | 1980 | 野坂恵子 | 二十弦2 |
5 | 二重協奏曲「波の詩」 | 1981 | 沢井忠夫 | 箏独奏、十七弦独奏、箏3、 十七弦 |
6 | 太棹協奏曲 | 1966~70 | NHK | 太棹独奏、箏4、十七弦、尺八、 打楽器(祭太鼓、締太鼓) |
7 | 十七弦三重奏曲「遊響」 | 1980 | 十七絃三人の会 | 十七弦3 |
8 | 箏とチェロの為のモザイク | 1990 | 自主作品 | 箏、チェロ |
10 | 行雲 | 1980 | 尺八1979 | 尺八5 |
「牧野由多可作品集」刊行にあたって 石川憲弘 |
作曲家牧野由多可先生は山田耕筰の最晩年の弟子として洋楽を学ばれ その作品はオーケストラ、オペラ、室内楽と様々なジャンルにわたる。また映画音楽、舞台音楽、テレビドラマの音楽も数多く書かれている。それとともに先生の作品で特筆すべきは邦楽器による作品群である。今から25年ほど前に先生自身によって書かれた文がある。少し長くな るが先生の作曲家としての真摯な姿勢がとても良くうかがわれるのでこ こに引用したい。 『私はいつも今の社会生活の中に伝統芸術や我々のやっている現代邦 楽がどのように生きているのだろうかと思わず考え込んでしまうのです。そういえば私自身も今から20年ほど前、自分の国の音楽に対する認識のとぼしさを痛感して邦楽に近づいて行った一人でした。当時の洋楽畑の者は、ほとんど邦楽に対する知識を欠いており、また理解しようとする姿勢を持ちませんでしたが、その中の何人かは、非常に熱心に自分達の音楽という意識を持って邦楽の基礎知識を懸命に吸収しようとしたも このような経緯で先生は邦楽器に着目・研究され、たくさんの作品を書かれた。その中で数多くの傑作が生まれたが、また先生は比較的陽の当たりにくい楽器にも関心を寄せられた。 『私はこの数年、一連の作曲活動の中で、特に十七絃や太棹を独奏楽器として意識的に取り上げてきましたし、又、胡弓のような忘れられかけた楽器もNHKからの要請で「胡弓三章」を書くことによって、このとざされかけた楽器に希望を持つことが出来ました。 中略 以上のような先生の作曲家としての特徴を鑑み、次の点をふまえてこの作品集に収録する曲目を選考した。 1.ポピュラリティーのある民謡の曲や、演奏者の人口の多い箏や尺八・三味線の曲に関してはなるべくそれぞれの奏法譜(縦譜)として出版したい。 楽譜に関してであるが 牧野先生の元譜自体は、音符もきちんと線上あるいは間に書かれ、棒も小さい三角定規を使ってまっすぐに引かれている。ただし鉛筆書きであり、20~30年前の楽譜は薄くなっている 巻末には今現在わかっているだけの先生の作品リストを載せた。このリストの作成にあたっては牧野由多可先生を支援する会のメンバーのうち、作曲の弟子である石川と松坂典子があたった。 なるべく多くの方に、先生の作品を演奏していただきたいというのが我々支援する会の願いである。そのため定価も抑え、できるだけ多くの曲を入れるよう努めた。この作品集そのままでも、あるいは1曲だけコ |
楽譜 『牧野由多可作品集II』定価 5,000円 (税込み) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発行 平成19年1月29日 |
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「牧野由多可作品集2」刊行にあたって 石川憲弘 | ||||||||||||
牧野由多可先生が亡くなられて早くも2年が過ぎようとしている。 <牧野由多可先生を支援する会> 改め <牧野由多可の会> では、先生の作品を一人でも多くの方に演奏・研究していただきたいとの思いから、『牧野由多可作品集II』を刊行するに至った。 前回、『牧野由多可作品集』刊行の際の選曲の考え方を再掲する。
今回もそれに準じて選曲した。 まず2・3項に関して、先生が特に力を入れておられた声楽作品を4曲選曲した。そして二十絃箏やピアノの入った編成の曲も取り上げた。 次に楽譜自体についての注意事項であるが、これも再掲する。 牧野先生の元譜自体は、音符もきちんと線上あるいは間に書かれ、棒も小さい三角定規を使ってまっすぐに引かれている。ただし鉛筆書きであり、20~30年前の楽譜は薄くなっているものも多い。またコピーも青焼きであったり、原譜を委嘱者に渡されてしまって先生の手元にコピーすらない曲もある。 今回はそれに付け加えて、
この作品集IIは、前回と同じくそのままでも、あるいは1曲だけコピーして使っていただいても結構である。ただしコンサート等で使用される際は著作権協会 JASRAC に申請いただくようお願いする。 今年2007年より牧野由多可賞作曲コンクールが開催されることになった。作品集もIII、IVとシリーズ刊行され、またコンクールの入賞作品も出版できればとてもありがたいことである。 今後出版してほしい作品等の要望があればご連絡いただきたい。また作品リストにもれている曲、委嘱者、初演者等についてもご連絡いただければ幸いである。 最後に、この作品集が刊行されるにあたっては多くの方々にお世話になった。まずお礼を言わなければならないのは、これらの作品が生まれるきっかけになった、作品を委嘱された方々に対してである。多大の時間と努力とそして経費をかけて、委嘱また初演していただいた方々のお力がなければ、当然これらの名曲は世に出なかった。ここに改めて厚く謝意を表したい。 |
5.「荒城の月幻想」
箏Ⅰ 砂崎知子 箏Ⅱ 友渕のりえ 横山裕子